入園できた!

 たっちゃんは療育センターというところに12月から通っていました。

私としてはそ こへ入れたときは幼稚園に入れるからと思っていたのですが、センターでは進路 の相談のときに幼稚園はムリかもと言われてしまいました。でも私の希望を尊重してくれたのか、やってみましょうということになりました。 センターの先生方と幼稚 園の方で話し合いも行われました。幼稚園の方では全力をつくしますというお返事を頂きました。

 いよいよ入園式です。移動や立って待つことはあいかわらずできませんでした。 入園式の時にはおとなしく座っていました。センターの時にはできていたこと、たとえば 靴を靴箱に直すことなんかはできなくなってしまいました。

環境が変わってできなくなることがたくさんあって身辺整理なんかどうするんだろうととても心配でした。

 だけど担任の先生や主任の先生がとてもよく面倒を見てくれるのでとても安心しました。担任の先生は毎日のように電話をしてくれて熱心でした。先生も分からないことだらけで不安だったのではないかはないかと思います。

 それに療育センターではひきつづき経過報告みたいな感じで二ヶ月に一回くらい心理があるのについてきてくれて、いろいろ心理の先生と話し合ってくれました。

課題とかは全然しなかったみたいで、見せただけで怒っていました。一人でいつも誰もいない園庭に飛び出ていって、それまで椅子には座れてたのに何故か全く座ろうとしなくなりました。

 団体行動のときはいつも誰かに抱っこされていました。 多動がひどくなってしまった感じです。なんだか大きく後退したようで悲しかったです。。一学期はそんな感じで終わってしまいました。


 一学期の終わりに幼稚園との話し合いに呼ばれて、ここではたっちゃんが成長しないのではないか、教室にも入らないのでは教育しようもないといわれてしまいました。二時間ほど粘って何とかまだ分からないので最低一年間は預かって下さいと頼みました。

 そこでこのままではいけないと思い、夏休みに学研に通うことにしました。






夏休みからニ学期

 夏休みに入る前に夏祭りがありました。なぜか手をつないで私についてきて初めてのことで驚きました。

さて夏休みに入って学研がはじまりました。最初はカードを出してみましたが全く受け入れようとしませんのでシールやのりを貼ることを始めました。かなり時間がかかるのでいらいらしましたが、だんだん一つ貼れるとうれしくてじっと座ってられないんだなと思えるようになりました。

 貼り方は自分の好きなところだけで、まだ私が示したりしても駄目でしたし、下の絵なんかは全く無視でした。

家ではひとりで着替えができるようになりました。夏休みだけで結構成長がみられました。


 ニ学期が始まりました。毎日運動会の練習です。本番はほっとしたことに実習生もいたし、お遊戯は主任の先生がついていてくれました。後ろから操り人形のように踊らせてくれました。 かけっこはとりあえずつつかれながら最後にゴールできました。

 二学期に入ってからすごく成長しました。学研での成果も徐々に上がり、私の指示に従うようになってきました。シールをきちんと絵にあわせて貼ったりできるようになりました。あんまり怒らなくなったようです。

心理のときに、いろいろテストをしましたが、センターの卒園時にはやろうともしなかったことをやる気まんまんでしました。幼稚園でも教室には座りませんがいれるようになりました。


 12月に生活発表会というものがありました。お遊戯をしました。たくさんの父兄がいるのではらはらしました!とにかく機嫌悪くならないで!とそれだけでした。

本番のときはとりあえず、自分なりに踊っていたようです。ただし、寝転がったり途中で消えたりして爆笑を誘っていました。その前にも授業参観で変な汗をかいたので、いけないことですが気分が落ち込んでしまいました。やっぱり他の子たちとなんて違うのでしょうか。それに皆さんはかわいがってくれるのですが、人の目は気になります。


だけどこの頃お話しがちょっとだけど上手になってきたのです!全然駄目だったのに本をさして教えてという感じで何か言います。私が答えると言いやすいものはいえるようになってきました。すごい!それに私がぶどうはどこ?と聞いてたっちゃんが指す練習をしていますが、少しはやれるようになってきました。私に言ってることを知らん顔しないで聞くようになってきたのでしょうか。それまでは自分が興味ないことは絶対にしませんでしたし、私の指示なんかは聞きませんでした。このまま喋ってくれればいいと思います。






突然の退園

 三学期になってすぐマラソン大会がありました。練習のときも競争意識が全くないので一番最後を走っています。

 本番の日、主人が休みだったので一緒に見に行きました。会場に着いてから「たっちゃんを探すのはいつも先生に捕まえられてるから簡単だね」なんて話しながら探しますが見つかりません。こんな広い場所でどこにいったんだろうと思っていたらいました!ちゃんとクラスのお友達といます。ものすごく驚きました。順番には並んでいなかったけれどいつもならどこかに遊びに行ってしまっているところです。

 それから先生と近所のお友達と三人で仲良く最後を走りました。途中で嫌になってパパと走りましたが最後から二番目でゴール!泣かないでまっすぐコースを走ってくれてよかったです。


 バスの送り迎えで二学期くらいからずっとおんぶじゃないと駄目になってしまいました。これでは困ると思って毎日おんぶしない訓練です。

最初は一時間くらい泣いていましたがだんだん時間が短くなりついに全く言わなくなりました。

 ただ何故か石垣を通るという決まりになっています。これはこだわりにはいるのでしょうか。


 行事でお店屋さんごっこがありました。父兄は見に行くだけだったのですが雪だるまやへびの絵をちゃんと作っていました。一緒に見に行ったときはとっても喜んでいました。

 言葉の方もかなり良くなってきました。通じることが多くなっていらいらしないでいいし、お手伝いもこなせるようになりました。分かっていないようで分かっていたりしてびっくりすることもあります。

学研でも60ピースパスルをしたり言葉をおうむ返しで言ったりして成果が出ました。


 ただ、幼稚園の方からいろんなことを言ってきます。他の子の集中力を散らすとか、通園施設のほうがいいとか・・・二ヶ月近くもめたのですが結局退園することにな ってしまいました。とても残念で残念でたまりません。

 前の年できなかったことを今度こそは一緒にやるぞとかいろいろ抱負もあったし、近所の子供達とも同い年なので皆で通えると思っていたのです。正直ショックがおさまりません。もっと重い子も通っていたのにどうしてうちの子供だけ・・幼稚園のほうの事情もある様ですが、感謝の気持ちと悔しい気持ちと複雑です。

 少し離れた幼稚園に通うことにしましたが通園できないので引っ越すことになりました。たっちゃんのお友達とも私のお友達ともお別れです。この家で生まれたので将来持ち家ができるまでいたかったなあと思います。

 でもここにそのままいるのはもっと嫌だろうと思います。他の子供はその幼稚園に通うのですから。わだかまりを無くしてさっぱりして新しいところで生活した方がいいかなと思います。


 終園式の日は式のときも教室でもじっと座っていました。あんまりうろうろしなくなったようです。買い物のときも手をつないだり、そばにいたりします。

お別れの挨拶のときは他のお母さん達も皆泣いてくれてありがたかったです。私も色紙や励ましの言葉を頂きました。たっちゃんはお返事ができるようになりましたの賞状をもらいました。

 帰りに車に乗っていたら主任の先生や担任の先生が追いかけてきてくれました。担任の先生はかなりわんわん泣いていてたっちゃんはびっくりしていました。なんにも分かってないのが余計可愛そうな気がしました。

 でもたっちゃんは新しいところでもやっていけそうな気がします。最初はまた落ち着かないだろけどまたがんばってもらいたいです。